ARTICLE / CHAPTER 03
「Wi-Fi」と「電波」って同じもの?
家でネットが遅いと、「Wi-Fi が弱い」と言ったりします。
でもそのとき、本当に同じ意味で「電波」と言っているでしょうか。
いま何を扱うか
この記事では、電波とWi-Fiを、同じ言葉の言いかえではなく、大きさの違う言葉として整理します。
扱うのは次の3つです。
- 電波が何の土台なのか
- Wi-Fi がその上で何を決めているのか
- ほかの無線との位置関係がどうなっているのか
電波の細かな計算や、通信会社の料金の話までは扱いません。
電波とWi-Fiは、親子の関係なの?
まず、空に引かれた道を想像してみてください。
電波は、その道そのものです。見えない空間を通って、情報が行き来できるようにする土台なんです。
その道の上には、いろいろな走り方があります。
Wi-Fi はその一つで、「この道をどう使うか」を決めた決まりの名前です。
だから、電波のほうが大きくて、Wi-Fi はその内側に入っています。
「無線なら何でも Wi-Fi」ではなく、「Wi-Fi は無線の中の一方式」と見るほうが近いです。
Wi-Fiは、何を決めているの?
道があるだけでは、ぶつからずには走れません。
Wi-Fi が決めているのは、どの機械がいつ話すか、どう名乗るか、どこまで届いたことにするか、といった通信の作法です。
- 家のルーターにどう入るか
- ほかの機械と同時に話しそうなとき、どう順番をゆずるか
- 受け取れなかったら、どう送り直すか
こうした作法があるので、スマホもゲーム機も、同じ家の中で同じ入口を使えます。
電波は道、Wi-Fi はその道の通行ルール、と分けると見えやすくなります。
じゃあ、ほかの無線はどこに入るの?
同じ空の道でも、走り方は一つではありません。
Bluetooth は近い相手と短く話すのが得意ですし、携帯回線は町の外までまたぐ大きな道を受け持っています。
どれも電波を使います。
でも、誰とつなぐのか、どこまで届かせるのか、順番をどう決めるのかが違うので、名前も別になっています。
この区別がつくと、「Wi-Fi はつながるのにネットにつながらない」のような言い方も読みやすくなります。
家の中の道は使えていても、その先の大きな網に出られていない、という切り分けができるからです。
つまずきやすいところ
- 「電波=Wi-Fi」と思いがちですが、Wi-Fi は電波の使い方の一つです
- 「アンテナが立っているから速い」とは限りません。道が空いているか、作法が合っているかでも変わります
- 「Wi-Fi が切れたらインターネットが消えた」と感じやすいですが、切れたのはまず家の中の入口かもしれません
ここから先
- 02/circuit-vs-electricity — 信号を作る部品の話
- 04/who-owns-internet — 家の外に出た先で、誰の網につながるのか
- 05/cloud-is-not-cloud — その先にある、遠くのコンピュータの話
- 用語: 電波 / Wi-Fi / 通信
この記事で出てくる用語
本文の流れを、用語ページから引き直せます。