ARTICLE / CHAPTER 10
便利な道具ほど、使っていることを意識しなくなります。
いま何を扱うか
この記事では、部屋になじむ家具のように、技術が目立たなくなる流れをたどります。
扱うのは次の3つです。
逆に、制度や企業ごとの細かな議論までは扱いません。
技術が見えなくなるって、どういうことなんだろう?
まずは、部屋の中の家具を思い浮かべてください。
買ったばかりの机は目立ちますが、毎日使ううちに、そこにあることをいちいち意識しなくなります。
技術も同じで、最初は新しい 道具 として触っていたものが、いつのまにか前提の 環境 へ変わっていきます。
家の明かりや水道を毎回すごい技術だと思わないように、インターネット や決済の仕組みも、動いていて当たり前に感じやすくなります。
この「目立たなくなる流れ」を 透明化 と考えると、見えていなかった変化を言葉にしやすくなります。
便利なのに、どうして依存が強くなるの?
次に、なじむほど困りやすくなる理由を見ます。
部屋になじんだ家具は、ふだん意識しませんが、なくなると急に困ります。
技術も同じで、透明になった仕組みほど、止まった時の影響が大きくなります。
地図アプリがないと道が分かりにくい、ネットが切れると連絡も買い物も止まる、AI の補助がないと仕事の流れが変わる、といった形です。
便利さは悪いことではありません。
ただ、何にどれだけ預けているかが見えなくなると、止まった時の備えを作りにくくなります。
リテラシーは、何を知っていれば足りるの?
最後は、全部を専門家になる話ではないという点です。
必要なのは、仕組みの細部を暗記することより、「これはどこにつながっていて、止まると何が困るか」を言えることです。
たとえばネットが切れたら何が止まるか、AI の答えをそのまま通してよい場面か、といった見取り図があるだけで、使い方はかなり変わります。
透明になった技術を一度だけ見える場所へ戻し、役目と弱点を確かめることが、暮らしの中のリテラシーの出発点になります。
つまずきやすいところ
- 便利になったら考えなくてよいと思ってしまうが、見えにくいほど止まった時の影響は大きい
- リテラシーは細かい専門知識の量だと思ってしまうが、まず必要なのは仕組みの位置関係をつかむこと
- 技術が透明になるのは悪いことだと思ってしまうが、便利さの結果でもあり、見直し方が大切になる
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